生活習慣病とは
生活習慣病とは、日々の生活習慣が原因となって発症する病気の総称です。
不適切な食事、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスなどが影響し、長い年月をかけて進行します。初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに体に負担をかけ、重篤な病気へとつながることが特徴です。
生活習慣病を放置すると、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などの重大な疾患を引き起こす可能性があります。
早めに診断を受け、適切な管理を行うことで、健康寿命を延ばし、快適な生活を送ることができます。
こんな生活習慣が健康に影響を与えます
生活習慣病の発症には、主に以下のような生活習慣が関係しています。
- 食生活の乱れ
- 高カロリー、高脂肪、高塩分の食事や野菜不足は、肥満や高血圧、糖尿病のリスクを高めます。
- 運動不足
- 適度な運動が不足すると、肥満や筋力低下を引き起こし、代謝の低下による糖尿病や動脈硬化を促進させる原因になります。
- 喫煙
- タバコに含まれる有害物質が血管を傷つけ、動脈硬化の促進や心筋梗塞、肺がんなどのリスクを大幅に高めます。
- 過度の飲酒
- 長期間にわたる大量飲酒は、肝臓に負担をかけ、脂肪肝や肝硬変、肝がんの原因になります。
- ストレスや睡眠不足
- 慢性的なストレスや睡眠不足は、自律神経やホルモンバランスを乱し、高血圧や糖尿病の悪化要因になります。
生活習慣病と呼ばれる主な疾患
肥満・メタボリックシンドローム
肥満、とくに内臓脂肪が過剰に蓄積された内臓脂肪型肥満では、インスリンが効きにくくなる、血管が傷つきやすくなる、といった健康に対するさまざまなリスクが指摘されています。
メタボリックシンドロームは、この内臓脂肪型肥満を基盤として、高血圧、脂質異常、高血糖が重なる状態を指します。
メタボリックシンドロームは動脈硬化を進行させ、心血管疾患や脳卒中のリスクを高めるため、早めの生活習慣改善が求められます。治療には、食事の見直し、運動習慣の改善、適正体重の維持が重要です。
高血圧
血圧が慢性的に高い状態が続くと、血管に負担がかかり、動脈硬化が進行します。
これにより、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まります。
初期には自覚症状が少ないため、定期的な血圧測定が重要です。
糖尿病
糖尿病は血糖値が慢性的に高くなる病気で、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
しかし、放置すると腎臓病や視力障害、神経障害などの合併症を引き起こし、生活の質が大きく低下します。
脂質異常症
血液中のコレステロールや中性脂肪の値が異常な状態を指します。
これにより動脈硬化が進行し、心血管疾患のリスクが高まります。
とくにLDL(悪玉)コレステロールが高いと、血管が詰まりやすくなります。
高尿酸血症(痛風)
血液中の尿酸値が高い状態が続くと、関節に尿酸の結晶が沈着し、激しい痛みを伴う痛風発作を引き起こします。
さらに放置すると腎障害を引き起こし、腎機能が低下する可能性があります。
生活習慣病を予防・改善するには
食事のポイント
塩分の摂取を控え、野菜や食物繊維を多く含む食事を心がけましょう。
脂質や糖分の過剰摂取を避け、バランスの取れた食生活を維持することが重要です。
運動の重要性
ウォーキングなどの軽い運動を継続することで、肥満を解消し、筋肉をつけたり、血流が改善されたりすることにより、生活習慣病の予防につながります。無理のない範囲で、毎日30分以上の有酸素運動を心がけましょう。
禁煙・節酒のすすめ
タバコは血管を傷つけ、動脈硬化を進行させます。禁煙をすることで、心血管疾患のリスクを大幅に低減できます。
また、アルコールの過剰摂取も高血圧や高尿酸血症(痛風)といったさまざまな生活習慣病の悪化を招くため、適量を守ることが大切です。
ストレス管理と睡眠
ストレスが蓄積するとホルモンバランスが乱れ、血圧や血糖値が上昇しやすくなります。
適度な休息と質の良い睡眠を確保し、ストレスを上手にコントロールすることが重要です。
生活習慣病の治療
当クリニックでは生活習慣病に関し、個々の患者様に合わせた治療計画を立て、継続的なフォローアップを行って、患者様の健康維持をサポートします。
治療に当たっては、血圧測定や血液検査(血糖値、コレステロール値、尿酸値など)、動脈硬化チェック(血管年齢測定など)、心電図検査などを行います。
健康診断などの結果がお手元にありましたらご持参ください。検査結果などに基づいて、治療方針を決めていきます。
治療内容としては生活習慣の改善指導をはじめ、必要に応じ、各疾患や患者様の症状や状態に合わせた薬物療法があります。
生活習慣病の改善で大切なのは、早期発見と定期的なフォローアップです。生活習慣病は一朝一夕で治るものではなく、継続的な管理が必要になります。
当クリニックは、患者様一人ひとりに寄り添って、健康的な生活をサポートしていきます。